世界は崩れ去ろうとしていた。


「姉さん───?!」


妹の腕の中には、血だらけの姉が倒れている


「ごめん・・・、ね。決まってたの──こうなることは」

血を吐きながら、その小さく白い唇から零れる言葉は。
「あな──たは・・貴方、は・・・・・ ───」

繰り返される単語は、次第に弱々しくなっていく。




「姉さん、姉さん───!!!


・・・いやだ、居なくならないで!」





姉が、その息を引き取ろうとしているのは、誰が見ても判る様だった。

───今まで二人で共に過ごした、世界を旅した日々が
走馬灯の様に脳裏を駆け抜けていく。


「・・・彼女の元へ、行きなさい」
そう呟いて、姉は亡くなった。